2020年7月
以前否定されていたリーダー論が再燃してるって本当?最近目にする、新・リーダー論とは?
リーダー論再燃?
犬との共生において、リーダー論は間違いだったと言われて久しいけど、最近またリーダー論が再燃してきています。
こう言うと「田中は未だにリーダー論を語っている」って思われるかもしれませんが、ここで言うリーダー論とは「権勢症候群」とか「αシンドローム」って言われた論のことじゃなくて、「刺激性抑制」のことを指します。
刺激性抑制って何?
刺激性抑制というのは、例えば、優しい女の先生の授業だと騒がしいクラスでも、怖い先生の授業では静かになるようなこと。
おしゃべりを抑制したのが【怖い先生】という刺激ですね。
この抑制は愛犬に対してもおこります。
刺激性抑制は、αシンドロームのように確固たる順位が決まっているっていうような意味ではなく、もう少しフレキシブルな感じで、その都度抑制のされ方が変わります。
意味が違うのになぜまたリーダーという単語が使われているのか?
それは、人と犬の関係が、支配と被支配の関係だからでしょうね。支配というと聞こえが悪いんですが、意味上で支配という単語を使います。
つまり、人間の意思決定のもとに犬の生活は成り立っているという意味です。
じゃあ、いいリーダーってどんな人ですかね?
よく言われるのが『毅然とした態度で接する人』ってやつですよね。
毅然とした態度って抽象的なので、それが何を指すのか明確な答えは出せませんが、その人の自信のあるなしによって抑制刺激に強弱がつくことは絶対にあります。
自信満々の人と、見るからに自信なさげな人、、、あなたならどちらの人を支持しますか?
僕の経験上、自信の無い人には共通して迷いがあります。特に気持ちの優しい人は、自分の接し方で愛犬に嫌な思い・ツラい思いをさせていたらどうしようって感じで気負っちゃってます。
理屈っぽい人も迷いが多いんですが、この人達は、一度納得する理屈を得ると自信を持って愛犬と接します。
自分の情動を変えるのは難しいので、迷いを無くすためにはやはり知識を詰め込むっていうのが1番手っ取り早い方法です。知識は、得れば得ただけ自信になりますから。
ただ、わかっちゃいるけど勉強するってのは相応の努力が必要なんで、その人が愛犬のためにどれだけ努力できるかどうか。
そういう意味じゃ、努力できることが良いリーダーの資質ってことになるのかな?
まあ、リーダーになることが良いか悪いかはここで話すのはやめましょう。
科学的根拠も、説明のしかたで印象は変わる。犬の生態についてもしかり。
コロナウイルスの感染者数が毎日驚くほど多いですけど、その数を知ることは無意味ではないけど、あまり重要では無いんですよね。
重症者がどれだけいて、どれだけの方が亡くなっているのかの方が重要ではないですか?
1枚目の写真は、PCR検査数の今と5月での数です。(東京)
検査数自体の数が圧倒的に違うので、陽性者数が増えるのは当たり前です。
2枚目の写真は、重症者数の今と5月です。(東京)
5月では100人近く重症者がいるのに、今は20名で1/5です。
でも気になるのは、最近で検査数がピークを迎えて、今は少し数は減ったのに、感染者数・重症者数共に減っていないことです。
つまり、検査数における感染者・重症者の割合が増えてきているかもしれないということです。
これは怖いです。
データは、科学的根拠のもと、正確に掴まなければなりません。
それは、犬の生態についても同様です。
いまだに誤解されている犬の優位性。
まだまだ犬についての誤解は多く残っています。
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優位な動物の示すいわゆる特権行動については多くの思い込みがあります。
例えば、優位個体は最初に食べ始めて好きなだけ食べ続ける。だから犬に先にエサをやってはいけません。優位個体には休息の場所を選ぶ権利がある。だから寝室を犬と分かち合ってはいけません。優位個体は群を率いる。だから散歩中に先を歩かせてはいけません。など。
こっらの行動パターンの多くは優位な狼に見られるものですが、これらが地位を表す信号として信頼できるものであるかどうかは保証されていません。優位個体はいつもこのような特権を行使するのか、特殊な事情がある場合に限られているのかについてもハッキリとわかっていません。
ですから、犬と人との関係の非対称性を確立するために、人が優位狼のように振る舞うべきなのかどうか、まだ証明済みというにじゃほど遠い状態なのです。ー「イヌの動物行動学」p187より
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こういうのが科学的根拠であって、感情論や経験談だけで語れるものではないんですね。
エルフドッグスクールでは、今現在最も新しくて正確な根拠を常にインプットし続けています。
TEL: 09098460815
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犬の虐待は善意からもおこる。もしかしたら、あなたも加害者かもしれない。無知が犬を苦しめる。
虐待は善意からもおこる
多くの人は理論に先んじて倫理があります。下手すると理論抜きに倫理感だけで犬と接している人も少なくありません。
犬に優しくありたい、愛犬を幸せにしたい。そう思うことは良いこと。でも、あなたが良いと思っても犬が良いと思うかどうかは別であることを知らなければなりません。
犬がプレッシャーを感じているのにアイコンタクトをとろうとする、安心していいよといっぱい声をかける。これは善意から行われます。優しさからの行動なんです。でも、犬にとっては向けられた視線が怖い場合があります。声をかけて欲しく無い時もあるんです。
行動学では能動行動と受動行動と言いますが、慣れない環境に置かれた犬に必要なのは自発的な能動行動をとる機会を多く与えてあげることです。優しく笑いかけてあげる、優しく声をかけてあげるは、どんなに優しくてもそれは犬にとっては受け身なんです。受動行動が増えるのは、能動行動が充分に増えてからです。
犬の幸せは散歩だと言って、悲鳴をあげてウンチを漏らすまで引き摺り回す人もいます。これもその人の優しさから出る行動です。早く散歩という喜びを与えてあげたいという優しさです。でも、それはその人が考える喜びであって、当事者の犬の気持ちとは関係無いところで話が進んじゃうんです。
そんな優しさの押し付けを嫌というほど見てきました。
結局、犬の一生は誰と出会うかで決まっちゃうんです。
その人が「これがいい」って決めたら、犬にはそれを拒否する権利は無いんです。
だから犬を知らなきゃダメなんです!
特に、犬に対して愛情のある人ほど思い込みは強いです。それは違うと言っても聞いてくれません。そして、自分の気持ちに同調してくれる相手を見つけて納得しようとします。
まず勉強しましょう。それも、倫理観のない無感情な状態で勉強するんです。
倫理を乗せるのはその後です。
どんなに行動様式が似ていても、犬と人は別の生き物。心の感じ方も人間とは違います。
赤ちゃんと同じような行動をとったからといって、犬は人間の赤ちゃんでは無いということです。
例えば、緊張すると鼻を掻く人がいたとしましょう。その人は緊張したら鼻を掻くけど、鼻を掻いたからその人は緊張していると決めることはできないということです。
犬がどう感じているかは、犬という生き物を知ることから始まります。
それが動物行動学です。
また、行動分析学の発達は感情を可視化しました。自発行動の増減はどういうプロセスを辿って起こるのか。それがわかれば、犬の苦痛を最大限取り除いてあげることが可能です。
犬に自由を与えるためにノーリードの方がいいのか?犬を守るためにオンリードで短く持った方がいいのか?避妊去勢は犬のためか?延命治療は必要か?尊厳死を選ぶ?食事はローフード?それともマクロビがいい?サークルは必要?不必要?
犬が選べることなんて数少ない。犬の一生における無数の選択のほぼ全てが人間によって決められます。
その犬が出会った人がどんな倫理観の持ち主なのか。それで犬の一生は決まります。
僕には僕の倫理観があります。僕の考える犬の幸せ像を僕も持っています。
でもこれは僕の倫理観であって、みなさんと共有すべき価値観ではありません。
ほとんどの人はそこを勘違いしています。だから「トレーナージプシー」なんて言って、いろんなドッグトレーナーのしつけ教室に通ったり、共感できるトレーナーを見つけては傾倒したりします。
何に共感するのか?トレーナーの倫理観に共感するんですよ。理論に共感しているわけではありません。だって本質的な理論は誰が言っても同じですから。
倫理観は皆さんがそれぞれで探し見つけていってください。
ただし、どんな倫理観を持とうとも、全ての犬に共通する理論を学ばないという選択肢はありえません。
人間の優しさのもとに苦痛を強いられる犬がいなくなることを切に願います。
エルフドッグスクールでは、犬の行動学及び行動分析学を学ぶ塾を開講しています。
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皆さんが学ぶことで、日本からドッグトレーナーという仕事が不必要になることを、ドッグトレーナーとして望んでいます。
吠えなかったらオヤツをあげるは無意味?【無駄吠えのトリセツ】エルフドッグスクール
【無駄吠えのトリセツ】
インターホンが鳴ると吠えてしまうという行動を直すとき、何度も鳴らして吠えなかったら報酬を与えるという方法をとる方が多いですが、この方法は実は無意味です。
一見、吠えない行動に報酬を与えて強化する『正の強化』に見えますが、そもそも【吠えない】は行動ではなく状態なので強化も弱化もされません。
※【我慢】は行動なので強化できます。
結論からいうと、無駄吠えを直したい場合は
・動機を無くす
・対立行動を強化する
・吠える行動を弱化する
・報酬を取り除く
のいずれかになります。
・動機を無くす
インターホンで吠える行動を誘発している動機は99,999%来客です。インターホンの音+来客の古典的条件付けがなされた結果です。
来客が嫌で吠えるのか、嬉しくて吠えるのかによってまた対処方法は変わります。
嫌で吠える場合は、ほとんどの理由は家族以外の人間への警戒です。縄張り意識でも社会性の無さでも同じです。なので、来客におやつを与えてもらうなどして警戒心をといていくことが効果的です。他人を排除する動機を無くすわけです。
社会化の再構築も動機を無くす手段になり得ます。
クレートを安心な場所にして排除の動機を無くす方法もありますが、実際は24時間入れ続けるわけではないので、あまり現実的ではないかもしれません。
嬉しくて吠える場合は、遊びが足りていない欲求不満が動機になっていることが多々あります。その場合は必要な運動と遊びを満たすことで吠える動機が無くなります。
・対立行動を強化する
インターホン+来客で古典的条件付けがなされているので、インターホン+呼び戻しや、インターホン+ハウス、インターホン+物を咥えるなどの古典的条件付けを上書きすれば、それが対立行動になります。
我慢も対立行動です。
・吠える行動を弱化する
これは、吠えたら直接罰を与えて、吠える行動を弱化する方法です。
吠えたら電気、吠えたら大きな音でビックリさせる、吠えたら天罰などがこれになります。
最近ではこういう方法をとる人は少ないですね。
・報酬を取り除く
インターホン+来客の古典的条件付けで、動機が来客に嬉しくて吠える場合は、吠えたら一旦来客に外に出てもらいましょう。来客が好子なので、そのまま構ってもらうと吠えの行動は強化されます。正の強化ですね。なので、吠えたら好子が消失するという『負の弱化』のプロセスをたどります。ただし、強化・弱化には2つの側面があり、この場合吠えなかったら報酬を与える条件付けを同時に行う必要があります。
よくある間違いが、吠えている間は無視しましょうです。
無視というのは行動に報酬を与えないという手段ですが、そもそも吠えるという行動が犬にとっては報酬系行動なので、吠えた時点でその行動は強化・維持されます。
それと、練習中にインターホンを何度も鳴らすと、音に慣れて反応しなくなりますが、これは行動の消去ではなく馴化といって、インターホンの音を何度も聞かせて来客との古典的条件付けを無くすことを目的としています。ですが、来客は必ずインターホンを鳴らすので、この方法もかなり非現実的です。
【最後に】
これらの対処法のいずれも、理論の理解無しに行っている人は少なくないはず。
ですが、理論の理解無く、方法先行で行うと、犬の行動の動機の追及に至らず、犬に方法を押し付ける結果となります。
それは、犬に優しいのでしょうか?
逆に、理論を知れば吠えを強化している因子が明確に見えてきます。
因子がわかれば、どんな行動でも改善可能です。
そして、見出だした解決法の中から、一番犬に負担のない方法を選べばいいのです。
本当に愛犬を思い、理解したいと思っているのなら、理論を学ばないという選択肢はあり得ません。
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TEL: 09098460815
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【都内のコロナ感染者数224人て!!】それでも安心してご利用いただけるエルフドッグスクールです。なぜなら、コロナの前からオンライン化してたから。急場仕様ではありません。
ひゃあ!都内の1日のコロナ感染者が224人で過去最多!!
重傷者数と死亡者数がまだ増加傾向でないのが救いですが・・・
これからどうなることやら。
当所みたいな出張専門のトレーニングは、飼い主さんと距離が近いし、カウンセリングやトレーニングの説明などで会話は必須。
常時マスク着用していますが、ご依頼者さんは不安はあると思います。
withコロナ時代は、【ドッグトレーナーに頼らない時代】の幕開けではないでしょうか?
もう、愛犬のしつけをプロに依頼するのではなく、ご自身で適切な知識で愛犬とのベストを見つける。そんな時代が来たのだと思います。
当所は早くからオンラインを取り入れておりますので、すでにオンラインカウンセリングが可能です。
飼い主さんのための、犬の行動学の塾も開催しています。
テキストもありますから、飼い主さんに理論的にわかりやすくご説明ができます。
コロナ不安の渦中でも、エルフドッグスクールは安全にご利用いただけます。
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【行動分析学 いいこと】でググったら、ホントにいいことばっかり出てきた
【行動分析学 いいこと】でググったら、ホントにいいことばっかり出てきたので紹介します。
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・行動分析学で社員のやる気を引き出す
・恋愛から不登校まで実践的すぎる行動分析学であの人の行動を変える術を学ぶ
・経験や勘とおさらば。行動分析学が解き明かすあたらしいリーダー像とは
・困った行動は変えられる。私たちの行動には法則がある(原則60秒以内。の記事内)
・行動分析学を土台にして教育心理もできるし、発達心理も、社会心理も、産業心理も、いろいろできるんだよ。(サルでもわかる行動分析学の記事内)
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まだまだ利点はあるだろうけど、ちょっと調べただけでもこれだけ出てくる。
だもん、愛犬の行動も全て分析できるってわけ。
それを、超わかりやすいテキストにしちゃったのが、当所の【まったく感動しない犬塾】
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これからの時代、行動分析学の習得は必須。特にプロなら知らなきゃお話にならない。
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【犬の幸福感を高める運動】『スタンフォード式人生を変える運動の科学』を読んで、犬の幸福感について考えてみた
運動と犬の幸福感
当所の犬塾を受講されると何度も耳にするワードが『4つの欲求』。
犬種年齢を問わず、犬が満たしたいと思う欲求は4つあり、そに1つに【適切な運動】が挙げられます。※ここでいう欲求には、睡眠や食欲は除外しています。
運動の質や量に関しては、犬種や年齢、病気の有無などで違いがあるのでここでは論じませんが、負担がかかりすぎない程度の【適切な運動】が犬には必要なのです。
〜運動で「人生の満足度」が高まる〜
世界的に見ても、体をよく動かす人の方が、幸福感や人生に対する満足度が高いそうです。この様な結果は、年齢や社会的な地位、文化の違いに関わらず共通して見られます。
ただし、運動によって高揚感を得るためには、運動の継続が必要で、人間の場合はややきつい運動を20分以上、週3回✖6週間続ける必要があるとのこと。
ラットを使った実験では、ラット達を21日間(1回の時間不明)走らせたところ、恐怖反応やストレス反応をつかさどる脳幹と前頭前皮質に変化があらわれ、ラット達はより勇敢になり、ストレスの多い状況にもうまく対応できるようになったそうです。
人にもラットにも認められるのであれば、当然犬にも同様の効果があると考えられます。
日々のお散歩をただ歩くだけではなく、積極的に運動を取り入れることで、犬は今まで以上に幸福感を得ることができるようになるのではないでしょうか。
運動量に関しては、犬種や年齢などによって変わりますが、運動の種類には『自由運動』と『引き運動』の2種類あります。
自由運動・・・ノーリードで自発的に自由に走り回る、室内やドッグランでの運動
引き運動・・・リードに繋がれた状態での受動的な運動。散歩など。
引き運動は、人間によって運動のスピードも距離も時間も変わってしまうので、過剰な運動になってしまわないように、獣医さんやドッグトレーナーに相談することをオススメします。
時々「小型犬には運動は必要ない」というプロがいるので、その場合は注意が必要です。
ちなみに、グリーンエクササイズといわれるような、自然の中で運動を行うと、気分が明るくなり、楽観的になることがわかっているそうですよ