当所は何年もこの【愛】について言及してきた。
愛犬、愛する我が子、愛しい犬
愛とはいったいなんなのか。愛という名のもとに正当化される行為の数々。愛という言葉を使いながらも相反する愛の価値観。
この愛という正体不明の怪物を相手に、自分が愛犬に対してできることは何なのかを考え続けていきたい。
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『愛するということ』
を読んで
何も知らない者は何も愛せない。(中略)ある物に、より多くの知が備わっていれば、それだけ愛は大きくなる ーパラケルスス
どんな形の愛にも、必ず共通する基本要素がある。
その要素とは、配慮・責任・尊重・知である。
【配慮】
配慮とは、愛する者の生命と成長を積極的に気にかけること。
配慮と気遣いには責任も含まれている。
【責任】
責任とは、相手が何かを求めてきた時に、応答することである。それは、相手が表明しない欲求にも応じるということ。
【尊重】
そして、尊重が欠けていると、責任は容易に支配や所有へと堕落してしまう。
尊重とは、相手のありのままの姿を見て、その相手が唯一無二の存在であることを知る能力のことであり、その人(犬)らしく成長発展していくように気遣うことである。
【知】
相手を尊重するには、相手を知る必要がある。
相手を知るためには、自分が相手に関して抱いている非合理に歪んだイメージを修正し、相手を、そして自分を、客観的に知る必要がある。客観的に知った時に初めて、愛の行為を通じて、その人の究極の本質を知ることができる。
母性愛は無条件だ。無条件であるということは、反面、相手がそれを手に入れよう、作り出そう、コントロールしようと思ってもできることではない。
(犬自身が愛されたいと思っても、相手が愛してくれなければ、無条件の愛を得ることはできない)
対して父性愛は、相手が社会の問題について対処できるよう、教え導くという役目がある。
父性愛は様々な原理と期待によって導かれるべきであり、脅したり権威を押し付けたりするにではなく、忍耐強く寛大でなければならない。成長する子供(犬)に、少しずつ自分の能力を自覚させ、やがては父親の権威を必要としなくなるように仕向けなければならない。(ペットの場合は、飼い主から独立して生きていくことは無いので、後半部は不必要と考える)
前述したように、母性愛は子供(犬)の生命と要求に対する無条件の肯定である。
子供の生命の肯定には二つの側面がある。
一つは、子供(犬)の生命と成長を保護するために絶対に必要な、気遣いと責任である。
もう一つは、単に長く生きたいという望みだけでなく、生きていることは素晴らしいという感覚を与えること。(エンリッチメント)
愛に関して言えば、重要なのは自分に対する信念である。つまり、自分の愛は信頼に値するものであり、他人のなかに愛を生むことができると信じることである。
この信念は、自分自身の経験や、自分の思考力・観察力・判断力に対する自信に根ざしている。
根拠のない信念は、ある権威、あるいは多数の人々がそう言っているからというだけの理由で、何かを真理として受け入れてることだ。
それに対して、理にかなった信念は、大多数の意見とは無関係な、自身の生産的な観察と思考に基づいた、他の一切から独立した確信に根ざしている。
教育とは、子供(犬)がその可能性を実現していくのを助けることである。
教育の反対が洗脳である。これは、子供(犬)の潜在的可能性の成長に対する信念の欠如と、「大人(飼い主)が望ましいと思うことを子供(犬)に吹き込み、望ましくないことを禁止すれば、子供(犬)は正しく成長するだろう」という思い込みに基づいている。
【まとめ】
冒頭にあるように、相手を知ること無しに愛を語ることはできない。
なぜなら、愛には『配慮・責任・尊重・知』という基本要素があり、配慮には責任が含まれ、責任には尊重が欠けてはならず、相手を尊重するためには、相手を知る必要があるからだ。
相手を知るためには、自分が相手に関して抱いている非合理に歪んだイメージを修正し、相手を、そして自分を、客観的に知る必要がある。客観的に知った時に初めて、愛の行為を通じて、その人の究極の本質を知ることができる。
そして、彼らの生命と成長を保護し、生きることの素晴らしさを与え、彼らがその可能性を実現していくのを助ける。
そのために重要なのは自分自身に対する信念である。
この信念は、自分自身の経験や、自分の思考力・観察力・判断力に対する自信に根ざしている。
根拠のない信念は、思い込みによって愛する者を洗脳してしまう危険性をはらんでいる。
理にかなった信念を持つために、大多数の意見とは無関係な、自身の生産的な観察と思考に基づいた、他の一切から独立した確信を得なければならない。
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