愛犬の歯石除去 麻酔あり?麻酔なし?【愛犬の問題行動専門ドッグトレーナー】エルフドッグスクールは東京練馬 中野区 杉並区 新宿区 港区 文京区 中央区


【犬の歯石除去 麻酔ありがいい?麻酔なしがいい?】

SNSの広告でも頻繁に流れてくる愛犬のための無麻酔歯石除去。
一見すると良さそうですが、結構賛否両論あります。

全身麻酔下での歯石除去と無麻酔下での歯石除去、実際はどちらがよいのでしょう?

【無麻酔歯石除去のリスク】
①無麻酔下で動く犬の歯をガリガリと削ると、健康な歯のエナメル質を傷つけることがあり、余計に歯石がつきやすくなる場合がある。

②歯科器具は先の尖ったものが多く、犬が動くと、歯、歯茎、唾液腺や血管を傷つける危険がある。

③無麻酔では、歯周ポケットの中の歯石や汚れまで取れない。

④無麻酔では奥歯や歯の内側の処置ができない。

⑤歯石はバイ菌の塊なため、犬が処置中にむせたりして、取った歯石が気道に入ると肺炎を起こすことがある。

⑥歯周病にかかった歯の周りの骨(歯槽骨)はもろくなっていることがあるため、動く犬を引っ張ったり抑えたりするだけで顎の骨が折れることがある。

⑦正しい歯石取りは、相当の痛みを伴うはず。

【麻酔下での歯石除去のリスク】
①麻酔に関連する合併症(※人間引用)
元の病気の悪化や高齢者の方の合併症
高血圧、不整脈、狭心症、心筋梗塞などの心疾患や脳梗塞、脳出血など脳血管の疾患の既往のある方や高齢者の方では、 心筋梗塞や脳出血・脳梗塞など危険性が通常より高くなります。また、元の疾患が悪化する場合もあります。

《脳内出血、くも膜下出血》
脳内出血、くも膜下出血、高血圧の病歴のある方では、危険性が高くなります。

《脳梗塞》
不整脈や脳梗塞の病歴のある方では危険性が高くなります。

《心筋梗塞》
心不全、狭心症、高血圧、糖尿病、脳梗塞、腎臓病などの病歴のある方は危険性が高くなります。 心筋梗塞の既往のある方ではさらに危険性が高くなります。心筋梗塞を起こして死に至る頻度は21%、 一度心筋梗塞を起こしている人で再梗塞を起こす頻度は7.7%、 特に心筋梗塞を起こして3ヵ月以内の手術の場合の発生頻度は17~35%前後と報告されています。

②犬の全身麻酔における死亡率
犬の麻酔が原因で死亡してしまう割合は約0.17~0.65%であると報告されており、特に手術が終わって3時間以内で一番多く発生していることが明らかになっています。 高い数値ではありませんが、人間での麻酔が原因で死亡してしまう割合(0.01~0.05%)に比べると高い数値になっています。(2020/12/19)
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麻酔下での処置の方が、歯石除去を行う上で質の良い処置ができるようです。反面、やはり麻酔事故のリスクは避けられません。
1000頭に1〜7頭くらいの確率で麻酔死亡事故があるようです。

どちらを選ぶかは飼い主さん次第です。
ですが、どちらも選ばない第三の選択肢もあります。
自宅での毎日の歯磨きです。
そのためには、子犬のうちから歯磨きに慣らすトレーニングをしなければなりません。
乳歯が抜け、永久歯がはえてくるまでに歯磨きに慣らすことは充分可能です。

歯石除去をすることを考えるより、歯石除去をしなくても良い口腔環境を維持することを選択しませんか?

懇意のトレーナーさんがいるなら【歯磨きのための脱感作トレーニング】の指導をお願いするといいでしょう。

もちろん、エルフドッグスクールでも一緒に練習できますよ♪