前回の記事の『オヤツを使ってるのに犬が逃げるのはなぜ?』の答えは、この【嫌悪刺激】にあります。
嫌悪刺激とは、犬にとって好ましくない刺激のこと。
つまり、怒られたり叩かれたりビックリさせられたりなどの刺激のことです。
ほとんどのプロトレーナーが、嫌悪刺激=強制訓練と考えるのが一般的ですが、実はこの考え方は間違っています。
もし、嫌悪刺激=強制訓練ならば、前回の記事のように、オヤツを使った陽性強化法で犬が逃げる理由になりませんよね。
答えは、
【人がどんなに優しい振る舞いをしても、犬がそれをよしとしなければ、犬にとってそれは全て嫌悪刺激である】
つまり、嫌悪刺激=強制訓練とは言えないし、陽性強化法ですら犬にとっては強制訓練となりうるということなんです。
前回の若いトレーナーは、訓練法のみに囚われ、犬がどうすれば楽しく自発的にトレーニングにチャレンジできるかというところまで考えが及ばなかったのですね。
トレーニングの基礎は、犬の自発性を促すことにあります。
犬に教えるのではなく、目的地に上手く誘導できるよう努めなければ、誉める言葉さえ嫌悪刺激になりうるのです。