【知識と経験とセンスとモラル】
電車に乗っていた時のできごと。
発車ベルが鳴り、扉が閉まろうとした時、階段からかけ上がってきた男性が、車両に飛び込み車両とホームの間にまたがった。
当然扉は閉められないわけだが、数秒後に奥さんらしき女性が電車に飛び乗った。
男性も車両に乗り込み、扉は閉まった。
この男性は奥さんにとっては優しい旦那さんなのだろう。
だけど、行為そのものには疑問を感じる。
そもそも【優しい】とは何だろう?
当事者が優しいと思えばそれは優しさなのだろうか?
「犬のため」「犬の気持ちになって」「犬の幸せを考えれば」
トレーナーがよく使う言葉。
きっと犬には優しい人なのだろう。
でも、社会には?飼い主には?
その優しさは、犬との共生という社会規範に鑑みたものだろうか?
僕は常々、ドッグトレーナーには『知識と経験とセンスとモラル』が必要だと思っている。
知識が無ければ犬を理解できない。
経験が無ければ知識を使うことができない。
センスが無ければ経験を活かすことができない。
そして、モラルが無ければ全ては身勝手なものと成り下がる。
ドッグトレーナーは、自分を疑ってはいけない。自分を信じてもいけない。
今までやってきたことに胸を張りながらも、受容はいつでも柔軟にできなければならない。