子犬を飼ったらまず読んで欲しい!【子犬のトリセツ】 いぬのきもちが手に取るようにわかる!ドッグトレーニング 東京 大阪 神戸 福岡 噛みつき 無駄吠え 保護犬 犬のしつけ 問題行動 行動学 オンライン

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【子犬のトリセツ】

皆さんは、子犬と運命的な出会いをし、家族の一員として迎え入れ、これからの10数年を共に生きていく選択をされました。

さぁ!これからは、共に生きていく異種のパートナーに、人間の世界とルールを知ってもらい、そして、犬として犬らしく犬を満喫して生きていってもらうために、様々なことを教えてあげる必要があるわけです!

それは何でしょう?どうやって教えればいいのでしょう?

ここでは、犬と共に生きていく上で大切なポイントをいくつかご紹介いたします。
ぜひ参考になさってみてください。

【子犬の社会化について】
子犬に自分以外の犬の存在と他犬との関わり方や、人間・猫・鳥・虫などの犬以外の異種個体の存在を理解させること、また音や振動などの社会的な刺激に慣れさせることで不要な恐怖を取り除いてあげることを子犬の社会化といいます。
社会化が充分になされることによって、子犬は成長の過程でも意欲的に学習し、心身共に健全に育つことができます。
また、同種間のコミュニケーションツール(音声シグナル、カーミングシグナル)が正確に操れるため、犬同士の意思の疎通がスマートに交わされ、無用なトラブルが起こりません。

そにために最初に知っておかなければならない事は、子犬を社会化させるのに最適なのは生後6〜10週で、それ以降16週(約4ヶ月)までが修正的社会化期であるという事です。つまり、生後4ヶ月までに社会化の土台を完成させることが理想的です。
非常に短いですが、重要な時期となります。

社会化が不十分なまま生後4ヶ月を過ぎると、社会化の修正はグッと難しくなり(修正が不可能なわけではありません)、修正がなされないまま子犬が成長すると、子犬の世界観は恐怖に覆われます。そのため、防衛のための攻撃、逃走、ひどい時には自傷行為などの問題行動があらわれやすくなるのです。

ではどうやって社会化させればいいのでしょうか?

【犬を知る】
まずは犬という生を知りましょう。
・孤独に弱い
犬は人と共生することに特化してきました。なので孤独であることに非常に強いストレスを感じます。長時間の孤独が頻繁に続くと、重大な問題行動を引き起こす引き金になります。

・4つの欲求がある
犬には、充すべき4つの欲求があります。「物を噛む」「物を引っ張る」「匂いを嗅ぐ」「適切な運動」これが満たされないと欲求不満となり、抑制の効かない噛み癖や刺激に過剰反応するなどの問題行動に転嫁されます。※もちろん他にも満たさなければならない欲求はありますが、この4つは見落とされがちです。

・犬としての生を与えてあげる
人は無意識に犬を擬人化してしまいます。擬人化自体は悪いことではないのですが、それにより犬の持っている能力を発揮させるチャンスを与えてもらえず、犬らしく生きることができていないケースは非常に多いです。特に、人間と同じような視覚世界で生活している犬は、嗅覚を使うことがスムーズにできず、多くのトラブルの原因となっています。
正しく犬を理解し、犬らしく生きさせてあげるのも飼い主の使命です。

上記を理解した上で、実際に子犬の社会化にチャレンジしてみましょう。
【社会化期に教えたい必須事項】
・犬社会を教える
各所で行われているパピーパーティーへ参加することで、同種の存在と社会的交流の仕方を教わります。人間が教えることのできない社会化なので、積極的に参加されることをオススメします。

・異種を教える/外界を教える
積極的に外出しましょう。(※当所では、ワクチン2度目摂取+1週間後から、抱っこしての外出をオススメしていますが、これについては様々な意見がありますので、必ず獣医さんやトレーナーさんと相談して行ってください。)
犬以外の生き物の存在を知ったり、外界の音や振動などの社会的刺激に慣らします。
YouTube 「犬 社会化 音」で検索した動画を利用するのもいいでしょう。

自分以外の犬の存在、犬以外の命の存在を知り、外界を知ることで、子犬にとって未知の存在が減り、必要以上の不安や恐怖を抱かずにすみます。

【パピー期に教えたいトレーニング】
・トイレトレーニング
ネットや本等で教え方は調べられるので、ここでは詳細は省きます。
ほとんどの方法は、トレイでできたらご褒美を与え、失敗時には黙って処理をしましょうと書かれているはずです。
理由は、報酬が与えられた行動は強化されていくので、成功時にご褒美を与えることでトレイで排泄する行動が強化されていくからです。(失敗時には報酬が与えられないので、失敗行動は強化されません)
たぶんここまでは調べてご存じの方も多いと思います。
ここでは、それでもいつまでも成功と失敗の区別がつかない場合は、失敗時にも意図せず報酬を与えているかもしれないということを知っておきましょう。
不要な声かけや処理中に子犬がジャレついてくる、掃除のために子犬をサークルから出すなどは、子犬にとっての報酬になっている場合があるので注意です!

・不快受容トレーニング
系統的脱感作法(wiki: 系統的脱感作 – Wikipedia 動画https://youtu.be/Xd8yGw108Zc)で、ブラッシングや足拭き等の不快の受容ができるようにしましょう。
子犬の時期に受容ができないと、成長と共に反発が強くなることがほとんどです。
大切なのは、押さえつけじゃなく受け入れ!小さい刺激からコツコツやるのがコツです。

・中性刺激への馴化
中性刺激とは、もともとは意味を持たない刺激のことです。
インターフォンの音やゴハンの準備の音は、子犬にとってもともとは意味を持たないもの。それが、来客やゴハンの提供と結びつくことによって意味を持つようになります。これを古典的条件付けと言います。
それにより、インターフォンが鳴ると吠える、ゴハンの準備が始まると催促して吠える等の行動が発現します。
この条件付けがなされる前に順化、つまり慣れさせておくとよいでしょう。

お座りだの伏せだのは後々教えられます。一緒に暮らす上で子犬に覚えて欲しいことは【トイレ・むやみに吠えない・攻撃的に噛まない】くらいではないでしょうか?他の問題は、どうにでもなりますから。

【よく見聞きする「無視しましょう」は本当に効果的なのか?】
犬のしつけについてネットや本を見る、またはプロに相談すると、「それは無視しましょう」と言われることが多々あります。
ズボンを引っ張られたり、マウンティングされた時などの対処を相談した時などによく言われます。
これは正しいのでしょうか?
行動が強化される背景には、必ず何かしらの報酬が与えられています。逆に言えば、行動しても報酬が得られなければ、その行動は強化されません。
なので、ズボンを引っ張られたりマウンティングされた時には、無視をして報酬を与えないようにしましょうという理屈なのです。・・・が、
実は、物を引っ張ったり(前述の4つの欲求でも出てきましたね)マウンティングすることは、その行動自体が行動内在的強化子といって、犬にとってすでに報酬になっているので、無視をしても直ることはありません。
飛びつきなんかもそうですが、このように無視が意味をなさない行動も存在するので注意が必要です。

〜最後に〜
社会化のための最適期は短く、また生涯に一度しかない貴重な時期です。この時期に適切な社会的経験をさせてあげることで、犬が犬らしく犬としての生を全うでき、コミュニケーション能力の長けた子に育っていきます。
子犬に適切な社会化をさせてあげることは、今や一般的になりました。上質なパピーパーティーやパピートレーニングも各地で開催され、探すことも参加することも難しくありません。
上手に適切な社会化を身につけさせ、早めに必要なトレーニングを施して、愛犬も人間も共に暮らしやすい関係を築き上げてください。