ドッグトレーニングは完全に次のフェーズに入りましたね。
社会化と社会的学習は区別され、一次報酬であるフード・オヤツを使ったトレーニングから社会的報酬を使ったトレーニングに変わろうとしています。
※社会的報酬というのは、誰かから「あなたは素晴らしい!」 「君のおかげで助けられた!」など、褒められたり感謝されたりすることを指します。
人犬との関わりが、食べ物から絆に変わるのはwelcomeです。
ご褒美となる報酬には「一次報酬と二次報酬」があり、一次報酬とは、その生態が生きていく上でもともと備わっている絶対必要な報酬のことで、トレーニングに多く使われるフードやオヤツのような【食べ物】は一次報酬になります。
二次報酬とは、学習によって獲得した好条件であり、生きていくなかで学習し報酬化したものです。なので、人それぞれ、犬それぞれ違います。
犬の生態とは、その活動の多くが社会化されたコミュニティに属する生活なので、先にあげた【社会的報酬】は一次報酬になり得ると私は考えます。
その中のひとつである【誉め】は一次報酬になり得ますが、それは経験によって誉められることが犬にとっての好条件であるという二次的な学習によって獲得されることが必要であって、誉める=一次報酬ではありません。
一言でいうと、
誉めがご褒美になるかどうかは、あなたとの関わり方しだい。
ということです。
少しわかりにくく正確に言うと、誉められることは一次報酬になるが、あなたの誉めるが愛犬にとっての報酬になっているかどうかはイコールではない。ということです。
だからこそ、昨今のドッグトレーニングにおける、【フードよりも社会的報酬を】という姿勢は、犬と人との関係をより良いものにする上でwelcomeだと言えるのです。
ちなみに、社会的報酬というのは誉めだけではありません。
しかし、こうやって新しいフェーズに入るときに必ずプロトレーナーの発信するレトリックとしての、
【過去のフェーズは劣っている】発言が蔓延します。
最近目にする、
「フードよりも社会的報酬でトレーニングする方が人道的である」
「より誘導的でない」
「犬に自由選択を与える」
というのはまったく理論的ではありません。
フードも社会的報酬もどちらも【報酬】であることに変わりなく、どちらもそれを与えることで犬の行動を強化し、犬はそのどちらも求めて行動を変化させます。
つまり、人道的か、誘導的か、自由選択を与えているかは報酬の質に関係するものではなく、報酬を与える側の与え方によってのみ関係します。
そこを見誤ってはいけません。
ただし、あなたの【誉め】がきちんと愛犬さんにとっての報酬になっているのなら、あなたと愛犬さんの関係は良好であると証明できるのではないでしょうか♪
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