愛犬の問題行動 本当に直したいなら 東京練馬のエルフドッグスクールまで【夏の事故!保冷剤で命をおとす?エチレングリコール中毒とは】練馬 杉並 中野 武蔵野 新宿 世田谷

愛犬の問題行動 本当に直したいなら 東京練馬のエルフドッグスクールまで【夏の事故!保冷剤で命をおとす?エチレングリコール中毒とは】練馬 杉並 中野 武蔵野 新宿 世田谷



今年は6月末に梅雨明けし、毎日暑い日が続いています。 お散歩中や家の中でも、暑さ対策として犬の首にタオルに挟んだ保冷剤をまいてあげる人も多いはず。

実はこの保冷剤、プヨプヨした中身が「エチレングリコール」の場合は、袋が破けないように充分注意してください!

高確率で死に至ることがあります!

エチレングリコールは甘い味がするため、動物がかじって穴を開けた場合、
中から出て来たものを喜んでぺろぺろと舐めてしまう可能性があります。
すると、エチレングリコール中毒になってしまう可能性があります。

エチレングリコールは肝臓で代謝され、
グリコアルデヒドやグリコール酸エステル、シュウ酸エステルなどが産生されます。
時間とともにどの代謝産物が作られるかによって臨床症状が異なります
(だから、熱中症かなと思ってみていたら、実はエチレングリコール中毒だったという事もあり得るのです)。

ステージ1は最初の30分から12時間で起こるもので、
嘔吐、精神状態低下、神経症状、多飲多尿が見られます。

ステージ2は12~24時間で見られ、貧脈や呼吸速迫が起こります。

最終段階のステージ3は半日~一日以上たってからなるものですが、
最終的に産生されたシュウ酸カルシウムによって腎臓がダメージを受け、
腎不全になって高率で死亡します。

エチレングリコールが怖いのは、
「なんかふらふらしているけど様子を見よう」
と言っていると、あっという間に腎臓までやられてしまい、
腎不全で死んでしまうという事です。

しかも、ステージが進んだ後で治療を始めても、
もうすでに体の中ではシュウ酸カルシウムが作られてしまい、
手遅れになってしまいます。

治療としては、早く連れて来てもらった場合は吐かせたり、
胃洗浄を行ったりもしますが、
もう体がエチレングリコールを吸収してしまっている場合は、
「エタノールの静脈注射」が基本的な治療となって来ます。

これは、肝臓で「エチレングリコール→代謝→毒性物質」という変化が起こる前に、肝臓の同じ代謝回路でアルコールを代謝しないといけないようにさせ、
エチレングリコールの代謝を競合阻害させようと言うものです。

エタノールを注射すれば、当然血中エタノール濃度が上がって体は酔っぱらうのですが、エチレングリコールが分解されてシュウ酸カルシウムが作られてしまえば、動物は死んでしまいますので、犬が酔っぱらった状態になってふらふらになろうが、そんな事は言っていられません。

問題は、エタノールの注射が間に合うか、ということです。
注射をしたとしても、時間が間に合わずにエチレングリコールが分解されて、
毒性物質が作られてしまえば、それでもう"アウト"です。

また、エタノールを入れて競合させても、あまりに多くのエチレングリコールを体が吸収してしまっていれば、
競合しきれず、毒性物質が作られてしまう可能性があります。

ポイントを抜粋しておくと、

・身近にある中毒物質なのに、危険性を知らない人が多い
・「パックを食べた」たという禀告がないと、診察してもまず分からない
・毒性物質が出来てしまった後ではほぼ手遅れ

ということです。

早い対処が必要なのに、症状が分かりづらく、気づいた後では手遅れになっている可能性があるのが怖い中毒です。

血液検査にしても、初期には腎臓の数値は高くありません。
シュウ酸カルシウムが作られて腎臓がダメージを受け始めると、しだいに腎臓の数値が上がって来るのですが、数値が上がって来る段階になったら、それはもうほぼ手遅れという事を意味しているのです。

一番有名なアイスパックというと「アイスノン」ですが、実はこれにもエチレングリコールは入っているため、かじって遊んでいたりすると、エチレングリコール中毒になって死亡してしまう可能性があります。

他にも、アイスパックで"食べてはいけない"と書いてあるものは、
エチレングリコールを含んでいる可能性がありますので、家にアイスパックがある方は、一度、内容成分を確認しておいた方が良いと思います。

愛犬を守れるのは飼い主さんだけです!

防げる事故は、キッチリ防いであげましょう!