『正月にはいづくにもつまらぬ遊事をするものに候間
夫れよりは何か心得になる本なりとも読んでもらひ候へ』吉田松陰
(お正月にはどこでもつまらない遊びをするものである。
そんなことより何かためになる本でも読んでもらいなさい。)
明けましておめでとうございます。
去年はずいぶんと本を読んだ年でした。
しかし、勉強というものはおもしろいものでございます。
すればするほど、真理は遠ざかっていくような、新しい疑問がわいてきたり、自分の出した答えに自信がなくなってきたり。
ドッグトレーナーのバイブルに【ザ・カルチャークラッシュ】という本がございますが、この本が今日の行動学ブームの火付け役と言っても過言ではなくて、そのくらいカルチャーがクラッシュされる本なのですが・・・
しかし、この本を読むと、中学生の時に太宰治の人間失格を読んで妙にニヒリズムに染まるような、ロッキーの映画を観たあとにシャドーボクシングをはじめるような、変な達成感と高揚をもたらすようで、自分は犬の全てを理解した気持ちになるようです。
まぁカルチャークラッシュに限ったことではないのですが、勉強というのは途中まではなんだか世の中の全てを理解した気になるのですが、実は学びの真理はその先にあるのだと思うのです。
勉強すればするほど新しい疑問がわいてくる。時には今までの自分の価値観が覆される。そもそも学びに自分の価値観を持ち込むことが不要なのではないかとすら考える。
どんどんゴールが遠ざかっていく中で、改めて自分の『今』と向き合うことが、本当の勉強というものではないのかと思うのです。
もちろん、また来年は違うことを言っているかもしれませんが。
犬という無常の命と向き合う時、「犬というのは○○だから」と決めつけていいものかどうか。
常に自分に問いかけながら、本年も精進してまいる次第でございます。