分離不安症の予防について【愛犬の問題行動専門ドッグトレーナー】エルフドッグスクール 東京 練馬

分離不安症の予防の前に、まず発症の寄与因子について挙げたいと思います。

・飼い主がひとり暮らしである
・去勢雄である
・保護施設等から譲渡された犬である
・迷い犬であった
・飼い主を終始追いかけている
・飼い主の帰宅時に激しく興奮する

これらの要因・行動がみられる犬は、のちに分離不安症になる可能性があることを理解しなければなりません。

その1でお話ししたように、犬全体の約14%は分離不安症予備軍であるという意見もあるため、予防処置は誰もが行うべきであると考えます。

寄与因子にあるように、ひとり暮らしで犬を飼うことは分離不安症を発症する可能性があります。理由としては、長時間の留守番を余儀なくされるため、帰宅後に留守中の犬の寂しさを埋めてあげたい、申し訳ない、一緒にいる時くらい犬の全てを認めてあげたい、などの理由から、過干渉になりがちであり、また犬が飼い主を求める行動を意図せず強化してしまいがちであることが考えられます。

14%という潜在的な要因は予防のしようがありませんが、上記に関しては単純に行動分析学にのっとった行動強化なので、いかようにも対応ができますし、予防はこの点についての注意がポイントになります。

予防ポイント①
【不必要に行動強化しない】
行動強化は、犬のおこなった行動に対して、その犬にとって好ましい報酬が出現すると強化されます。
例えば、サークルに入れられている犬が、飼い主の姿を求めて吠えたとした場合、その要求に応えて犬の前に姿をあらわしたら、それは犬にとって好ましい結果となるため、吠えるという行動は強化されます。
ただし、犬によって好ましい結果は違うので、あくまで犬の行動が強化されるかされないかが報酬としての機能しているかどうかの見極めになりますから、自分が考えていることと犬が受け取ったことは違う場合があることに注意してください。
それをふまえ、犬の行動に不必要に報酬を与えないよう注意して、行動を強化しないようにしましょう。

予防ポイント②
【不安要素を減らす】
分離不安症はつまりは犬がひとりにされることに不安を感じるわけですから、ひとりでいても不安を感じないようにすればいいわけです。
そのためには、[飼い主がいる=安心 飼い主がいない=不安]という意識の結びつきがなされないようにトレーニングしましょう。
予防ですから、犬の不安反応がないうち、もしくは小さいうちに始めなければなりません。
例えば、犬をサークルに入れ、飼い主は姿を隠します。次に、犬が不安を感じる前に姿をあらわします。声かけやフードなどの報酬を与えてもいいでしょう。その場合は犬がリラックスしていることが前提で、不安反応じゃないけどワチャワチャしてる時に報酬が出現するとワチャワチャが強化されます。
もしも練習の最中に犬が不安反応を示してしまったら、飼い主は姿をあらわしてもいいのですが、視線や声かけなどはせず、フードも与えず、報酬無しで次のチャンスを待ちましょう。飼い主の出現がすでに報酬なので、練習は失敗です。
次に姿を隠す際は、前回隠れた時よりも短い時間でないといけません。あくまで犬が不安を感じないことに対して報酬を与えなければなりません。

予防ポイント③
【安心できる場所をつくる】
不安に対して安心は逆の要素ですよね。つまり、安心は不安を相殺してくれますので、犬に安心できる場所を作ってあげることは分離不安症予防に効果的です。
犬の不安に対して、その不安と同等もしくはそれ以上の安心を与える。このトレーニングを拮抗条件付けといいます。
自由意志を尊重した正の強化トレーニングで、ハウストレーニングやベッドトレーニングをおこなうといいでしょう。

分離不安症を発症してしまうと、正直改善はかなり困難です。
なぜなら、分離不安が発症するということは、飼い主と犬が離れるライフスタイルであるということが前提になっているからです。
その場合、ほぼ100%が仕事での不在なので、ライフスタイルを変えること自体が大変に困難で、トレーニングが進まないからです。
だから!だから予防が重要なのです!

ポイント①は飼い主の行動の何が犬の行動を強化しているかの見極めが、ポイント②はトレーニングステップが適正であるかどうかが重要です。
どちらも知識と経験が必要なので一般家庭では難しいかもしれません。
ですから、プロへの相談は早めに気軽に絶対にされることをオススメいたします。

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