犬の無駄吠え・要求吠えは無視しましょうがスタンダードなトレーニング方法だけど、最近は、無視は犬の心を傷つけるとの理由から、無視のトレーニングは勧めないというドッグトレーナーも増えてきた。
前者は、吠えるという行為にのみ着目しているので、その背景にある原因の追及はしておらず、吠えは十把一絡げで無視というトレーナーは多い。
これは実によろしくない。
後者は、犬の心理に鑑みて、犬彼らの言い分に耳を傾けているだけまだましだけど、こちらはこちらで可哀想可哀想主義者が多く、犬絶対主義者なのが、ブログなどからよくわかる。
この手のトレーナーは、大概飼い主のことや他のトレーナーバッシングをしている。
さて、無視が良いのか悪いのかについてはここでは論じないが、両者共に大切なポイントを見逃している。
それは、
オペラント条件付けによって強化された吠え行動は無視によって消去されるが、古典的条件付けによって条件付けがなされた吠え行動には無視は通用しないってこと。
犬の吠えは、【言語】と【情動】の2種類ある。
言語は我々と同じように、思考を記号として発信している自発的な行動であり、オペラント行動である。
対して、情動の変化によって引き起こされた吠えは、言語とは違って自発的なものではない。
例えば、面白いときに引き起こされる笑い声、悲しいときに引き起こされる泣き声。
これらは、自発行動ではなく、情動の変化によって引き起こされた発声であって、これに無視は通用しない。
「要求吠えはとにかく無視」という人も、「心を壊すから無視はダメ」という人も、背景にある理論を知らずに語っているのなら、どちらもよろしくはない。
前者はそもそもの知識が無い分、余計にたちが悪い。